タイ「ピナイ罰金に関する法律」 日本語訳
- Potato
- Jan 12, 2024
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Updated: Apr 12
Japanese Translation of the "Act on Imposition of Pinai Regulatory Fines, B.E. 2565 (2022)" of Thailand
背景から説明しますと、タイでは、2023年10月25日より、刑事罰、民事的制裁、行政罰である過料の他に、「ピナイ罰金」という新しい法的制裁制度ができました。「仏暦2565年(2022年)ピナイ罰金に関する法律」(国務院訳名: "The Act on Imposition of Pinai Regulatory Fines, B.E. 2565 (2022)")の制定により、多くの法律で定められた刑法上の罪が非犯罪化(Decriminalize)され、「ピナイ罪」(Pinai Regulatory Offence)と再定義されました。ピナイ罪を犯した者は、国家職員又は裁判所(司法裁判所)が決定した額のピナイ罰金を納付しなければならないのがピナイ罰金制度の趣旨です。
この制度は、ドイツのOrdnungswidrigkeit制度から由来します。英語Wiktionary(閲覧日: 2024年1月12日)によると、ドイツのOrdnungswidrigkeitはアメリカのMisdemeanorとある程度比べられますが、アメリカのMisdemeanorは犯罪で、Ordnungswidrigkeitは犯罪ではないようです。また、ドイツの法令インターネットデータベースでは、OrdnungswidrigkeitはRegulatory Offenceと訳されますが、司法裁判所の管轄だそうです(出典: タイ国国務院事務局(Office of the Council of State))。
"The term [Ordnungswidrigkeit] is sometimes comparable to that of misdemeanor in US law, but must be distinguished. A misdemeanor is a lesser crime, while an Ordnungswidrigkeit is considered entirely outside the realm of crime."
国務院事務局によると、立案の段階でもどうやってOrdnungswidrigkeitをタイ語にするかが話題の一つでしたが、タイの古来の法律の「三印法典」(Three Seals Law)に「ピナイ」という「国に納付する罰金」の言い方があったので、これを使って新しい罰金制度の名称にしたというのです。
日系企業がたくさん進出しているタイの法制度の大きいアップデートなのになかなかニュースに出ていなかったので、「ピナイ罰金に関する法律」の日本語翻訳版を作ってみました。読者の皆様の利益になると嬉しく思います。この翻訳版をよりよくするためのご意見がおありでしたら、ぜひご連絡をいただけますと幸いです。
免責事項:翻訳の正確性を確保するために精一杯の努力を使いましたが、すべての者に責任を負うことはできないので、これを法的のアドバイスにするのは致しかねます。なお、タイ語原文のみ効力を有しますので、タイで行動を取る前には必ず弁護士まで相談してください。
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